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日本人のための憲法原論

先日ブックオフで買ったこちらの本。2006年3月の本だ。当時は話題になったりしただろうか...。

日本人のための

この小室直樹さんという方.. ウィキペディアによるとかなりアツい方のようだ。
相変わらずまだまだ読み途中での感想になる。(私の場合、書いてしまわないと忘れてしまうんで...。)


まず、この本は500ページ近くあって、憲法原論と言っても、欧米の歴史や宗教などまだまだ私には困難な道のりが続くんだが・・・
とにかく今のところ、猛烈にためになっている。
出だし(前書き)から『現在日本が一種の機能不全に陥って、何もかもうまく行かなくなっているのは、つまり憲法がまともに作動していないからなのです。』『こんなことを言うと、みなさんはびっくりするかもしれませんが、今の日本はすでに民主主義国家でなくなっています。いや、それどころか近代国家ですらないと言っていいほどです。』と始まる。

そして憲法及び法律についてのザックリとした捉え方にヤラれる。

●憲法は成文法ではなく、本質的には慣習法である。
●刑法は裁判官を縛るためのもの
●検察官ばかりでなく、行政府全体に対する命令が書かれているのが刑事訴訟法
●刑事事件とは、検察すなわち行政権力を裁く場
●刑事訴訟法は刑法よりも大切な法律
●憲法に違反することが出来るのは国家だけ
●民主主義と憲法とは、本質的に無関係

どうだろう...
これに対し「成文法は成文法だ!」という発想しかしない人には何を言っても無駄だろうが、基本的にうなずくことばかりだった。

ドイツのワイマール憲法は、ナチスによってそれを無効化される法律を被せられたが・・ だからと言って「憲法違反である」とはならないのが憲法であり、アメリカ憲法はステキなことばかり言っているが、実質がまったく伴っていない(というか行使しきれない)ことなどからも、実質成文法とはいえないと導き出している。多くが進んで従うような、慣習法的内容でないと、憲法は効果を発揮しないという話しだ。


そして、遠山の金さんや大岡越前的「お上」感覚が、近代制度の足かせとなっている話しや、死刑執行が決まっているのにGOを出さない法務大臣こそ問題であることなども出ている。


国家権力というものこそ強大な権力なのであり、多くの法律や憲法とは、それら権力を統制するためにあるものだ。
そしてそのような部分での私たちの感覚のズレが明快に分かる例えが出ている。
『例えば、理屈を捏ね回して親に反抗する子供に対して、親が「えーい、おまえの言うことなど聞きたくも無い。黙っていろ」と叱ったとする。すると生意気な子供が「お父さんは言論の自由を侵している。憲法違反だ、人権侵害だ」なんて怒ったりするでしょう。しかしこれは子供の言い分が間違っている。子供の意見なんて聞かなくっても、言論の自由とは関係のないことです。』

言論の自由や人権侵害とは、本来国民が国家権力から守るために存在するものだという話しだ。
憲法第21条:表現の自由は、これを保障する
・・・これはいったい誰から保障してくれるのか?それは国家だという話し。

『何しろ近代国家には軍隊や警察という暴力装置がある。また人民の手から財産を丸ごと奪うこともできる。さらに国家の命令ひとつで、人民は徴兵され、命を線上に投げ出さなければならない。』
・・・今までそんな風に考えたことも無かったが、言われてみればその通りなんだろう。

武士道への解釈と、伝統主義と合理的判断は対極にあるという意見には賛成できなかった。
それは学問的にはそうなんだろうが・・ 現在の使い道として(認知のされ方として)ずれがある。


以降、中世ヨーロッパの歴史やキリスト教について続いている。歴史嫌いの私にも大変面白いが、後日追ってにしよう。



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  1. 2009/06/16(火) 18:04:57|
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