55政党

[ 何を選ぶのか.. どうやって選ぶのか..   いや、それ以前に選ぶことができないことが問題だ ]

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希望を捨てる勇気

まず、この本は国家財政及び政策について、経済学的視点・労働問題・歴史的背景や作りあがった秩序を通じて語っている。

そして、「これだけ明快ならその通りにすりゃいいじゃんか!」と感じるほど素晴らしいものとなっている。
※もちろん、その通りにしていくことも難しいのは分かっているが...。

内容のほっとんどは、池田さんのブログで出ていたものになっているが、私が見落としているのか・・ 随分前に語られていたのか・・ 私が読んでいない多くのフォローされた部分があるのが驚いた。
●年功序列は本来、能力主義的な競争原理に基づくものであったこと。
●「資本家が労働者を搾取する。」の実状も、発想も、ポジショニングも否定している点。
●年功序列は大企業や公官庁の一部にすぎないことをフォローしている点。
●輸出依存度が高いというのは正しくないということ。
●丁稚奉公型のキャリアパスは必ずしも不合理な雇用慣行とは言えないという点。
●ゲゼルのマイナス金利に触れている点
●ホリエモンや村上ファンドへのフォローはとても限定的なものだった点

次に55政党で主張していた、または池田さん論を支持していた部分
●大学はアカデミズムでなく、職業訓練へ
●金融機関を健全化しないで財政出動をしても脳内出血の患者に栄養注射をするようなもの
●日本の金融危機が終わった原因は、ゼロ金利によって預金者の利息が失われ、それを元手に銀行がゾンビ企業を救っただけ。

次に初めて知って驚かされた部分
●住専問題における大蔵省寺村銀行局長の部分
●実質成長率と都市部への人口移動のグラフが見事に連動している部分
●ドル/円レートと日経平均株価が基本的に連動している点(やや為替先行ぎみか)
●経産省北畑事務次官の主張
●岸信介--岸信介などの革新官僚が軍部と手を結び、商工省を乗っ取って「軍需省」とし、中枢機能を「企画院」に集中した。戦時体制は岸の信奉する北一輝の理想とした軍の支配による国家社会主義を実現するものだった。--
●GHQが導入しようとした公務員制度は、職能ごとの「官職」で分類し、その職務の中で果たす「責任」を明示的に記述し、それに応じた「職級」に適合するかどうかの試験によって昇進させる。
●汎用京速計算機関連の経過(ろくでもないと分かる)
●ホワイトスペース関連(これもどうしようもないと分かる)


潜在成長率や労働生産性なども丁寧になっている。
囚人のジレンマがここにも出てくるが・・ これは私が中学か高校生だったころ、富士通はパソコンでこんな計算なんかもやってます!みたいなのをテレビで見た記憶がある。20年以上前の話しだ。その当時に研究が進んでいるのだから、今はもっと社会に浸透していてもいいように思うが...。


主張の基本線としては、労働の流動性を高めるべきなのは十分すぎるほど伝わってくる。
思ったほど“同一労働同一賃金”には触れていない。もちろんそれは手段のひとつであり、主張の主論は流動性やポータビリティにある。
そして株主権力強化が主張されている理由がここで分かった。55政党では、株主は「もっと儲けさせ!」というだけの存在であり、無理なら売られて見切られる... それだけで十分だと考えていて、現在をむしろ余計な口出しをする時代だと考えていたが、企業経営層が思い切ったかじ取りができないならば、株主の権限行使が徹底される方がよいということは分かった。
55政党では、産業構造は 『資本家-企業-消費者』の三権分立で考える。池田さん論は労使対立は過去のことだとしているし、この株主部分も納得できる範囲だ。

そして最終的には、「日本人はリスクが嫌いか」などリスクテイクの時代に話しが及ぶ。
ベンチャーキャピタルや投資銀行のリスク投資方面はうなずくばかり。
「安心・安全」過剰にも触れ、まったく55主張と逸れない。
知的所有権方面も、それと企業や行政の接し方(付き合い方)がまったく同意できる内容になっている。
■□
著作権という名の独占レントがないとコンテンツ産業が成り立たないという利権団体の主張はナンセンスだ。イノベーションにとって重要なのは、事後的な報酬の確実性ではなく、事前の自由度の大きさだから、情報の二次利用をさまたげる「知的財産権」の過剰保護は経済全体にとってマイナスだ。いま必要なのは既存のコンテンツを守ることではなく、情報の共有を前提にしてビジネスを成立させる新しいビジネスモデルの実験である。
□■
これ以外のも、韓流ブームも違法な流布のおかげであることなど、ビジネスを生み出すポイントのズレを主張している。この部分などは自分がモーニング娘やGYAO関連で言ったことと同じだ。


議論の分かれ目は、AT&T関連で出てくる投資銀行ドレクセル・バーナム・ランベールの部分だろう。ここを支持すればきっと、市場原理万能主義と呼ばれる。ここに境界があるなら自由主義の範囲内で収まる。
しかし、この池田さんの文脈で行くと、LBOでもCDSでもある程度正義はあることになる。まともな投資活動へ向けるための資金が不足しているからこそ、そのようなきわどい商品(方法)が開発されていると言えるからだ。
ここ以前の話しについては私の中では既に確定事項であり、疑う余地などない。
こっから先をむしろ議論していきたいところだ。

最後の結びにむけて
■□ 長期停滞の根源には、本書で見てきたような(根拠のある)将来への不安がある。これを払拭するには、すべての人にチャンスがあり、努力すれば報われるという希望を取り戻し、活気ある社会にしなければならない。
□■
とある。これこそが私が小泉さんを支持した主張の根本である。
池田さん論はこっからさらに進めて、それを大規模に改善していくには、まだ「絶望が足りない」わけだ。



現在の官僚統治機構のどうしようもなさ(不適合さ)は随所に出てくるのであまり触れない。
但し、ここまで見事に明快に答えが出ている以上、池田さんは外野であっていいのだろうか...。
中心となるべきとまでは言わないが・・ 民主から声がかかるのを待つより、『みんなの党』にこのようなスタンスの意見や人々を集約させていくべきなんじゃないだろうかとも思う。



最後に、この本にも出ているミルトン・フリードマンの言葉。
自由より平等を優先する社会は、結果的にはどちらも失うことになる。

これだって近頃の55政党でも触れている。結局は望ましいカタチが得られないことが見えている方法を却下すべきだ。


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  1. 2009/10/18(日) 13:44:24|
  2. 経済・財政
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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