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たった1%の賃下げが99%を幸せにする

これは私がここでブックマークしている城さんの本だ。
たった1

まず、この本は政治を問うものとは違うようだ。
あくまでも城さんの本業である、人事コンサルの枠組みであると捉えるべきだろう。

確かに、政策や教育へと話しは発展していく。
しかし、基本的には能力主義を導入していこう!という話しであり、そのほとんどは政治に何かできようない内容になっている。
ということは、政治を問う本ではないということを念頭に置いておかなければならない。

内容にいこう。
まず気に入らない(納得いかない)部分は、能力主義を採用していない=年功序列だということ。そこはイコールではない。
そして、多くの会社員が昇進だけを目指しているような世界観にあることだ。

世の中の仕事とは、そんんんなに... ヌルいんだろうか?
人事コンサルなんだからそういうハウツーでは確かに多くの納得のいく部分はある。
しかし、能力によるシビアな査定などできないことが何よりの根本だ。
そこまで含みで社会を合わせていかなければならないのならば、まずは各セクションが数値的に決められたミッションをこなしていく形態にしなければならない。
そして現職はバラバラの各個人をミッションによってつなぎとめているだけ・・という関係性を持った集合体に変質させなけばならない。
例えば、トップが売上20%UPを掲げる。→営業は新規1割UP、調達(製造)が5%コストダウン、宣伝がキャンペーン波及効果50%UPなどというようにミンシュンが下り→そっからさらにその下部へ数値目標を分担して展開させる。....というような感じにしなければならない。
しかしそれだと、そもそもの20%UPに意味がない。極端な話し、ミッションが成し遂げられてもその企業でなくてもいい企業になってしまう場合もあり得る。
さらに、このような形態は単年度ミッション以外の遂行が難しくなる。
そもそもこの形態は資本家(いや、機関投資家・ファンド運用者)の理論だ。

そこまで厳密ではなくとも、能力主義的世界が一見より良いように感じるという気持ちは分かる。
ただ実際にはそれは欧米的浅はかなスタイルだと言わざるを得ない。

今日のアゴラでは池田さん-池尾さん揃って『ものつくり敗戦』関連の話しをしている。かつての技術立国が今どうしてこのようになってしまったのか... を問うものとなっているんだが、日本型の利点とは根性論的個人の頑張りだけではない。長期にわたって積み上げ、探求していける個人と組織があったことにある。『合理的』が奪ったものとは、根性論だけじゃないんだ。
合理的・効率的経営という... 資本家への迎合が、長期的蓄積の機会を奪い、自らを入れ替え可能な企業に貶めている。(まあ、この話しは厳密には、今までの日本とはただ単に、世の中に広まりそうなハードウェアを努力と根性によって小型化させてきたことが功績のほとんどだろう。)


営業が頑張ろうにも、売るものが厳しければ苦戦をする。売るものが良くても、やっぱり営業をおろそかにすることもできない。また、CM効果で一気に挽回する企業もあるし、しかしCMにそぐうものを提供して行かなければ、すぐに下火になってしまうし、むしろ自ら進んで悪いイメージを広げてしまうケースもある。
誰がやってもいいような仕事だけど誰かがやらなければならない・・ というような仕事もある。能力が試されていない仕事もある。全員が素晴らしい状態のままで仕事に臨める環境というのは、現実的じゃない。人とはそもそも相対比較で生きている。優秀な軍団のハズでも、その中に入ればテンションを下げる人は必ずいるんだ。そうはいっても全員が素晴らしい動きをするような集団もいる。ただしそれは集団の長による強力なリーダーシップだったり、その組織自体が特別なミッションを背負ってたりする場合だろう。

仕事は業務ではなく、役割であるということ。
企業は個人の集まりではなく、チームであるということ。
そのような根本を変えなければ、どのような制度にしたってたかが知れている。
しかも、それが資本家よりの発想になっていく場合・・ それこそがホントに浅はかな世界だ。
第一、私たちが貯蓄を眠らせてないでより多くの利回りを得たいとして... それはある特定の有意義な投資である必要があるか?安全で少しでも多くの利回りが得られれば、どこだっていいハズだ。さらに、そのようなお金は、10年後に倍になる可能性よりも、毎年3%得られることが確約されていることのが大事だろう。運用者だって、計算できる利回りをある程度抱えていたいハズだ。その波が、バブルと呼ばれ、まっとうな波ではないように思われたとしても、今上げているところに乗らない理由などないんだ。
つまりそれが今の時代の世界観であり、大事なのは、資本家は資本家として、事業者は事業者として、消費者は消費者としてせめぎ合っていくことにある。
・・・これが何で能力主義の話しと繋がるかおさらいしよう。
能力主義とは、企業も個人も入れ替え可能な世界を作るということなんだ。
私でなきゃいけないのは私だけ、その企業でなきゃいけないのもその企業だけ... ノウハウやスペックの標準化は、私でなくてもいい、その企業でなくてもいいことを実現する。

そもそも重要なのは、多くの人がそのような能力主義を好むというのなら、それを勝手にその企業が取り入れればいいことだ。
そうでない企業と、そういう企業がある。それでいいわけなんだ。
だからつまり、そのような世界を目指して政治的に動いていくこと自体が問題だということだ。
あえて根本を見ていくならば、合理主義と個人主義にもっと目を向けていかなければならない。



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テーマ:労働問題 - ジャンル:政治・経済

  1. 2009/06/15(月) 00:32:14|
  2. 雇用・労働・人事
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